- 喘息の遺伝的リスクとは|52座位を同定した2025年MTAG解析と新薬デペモキマブの最新動向
- この記事でわかること
- 遺伝の仕組み|GSDMB・CD36と2型炎症が関わる多因子疾患
- 発症リスクの数値|52座位の意味と絶対リスクへの言い換え
- 検査の選択肢|保険適用の臨床検査とDTC遺伝子検査の違い
- 検査結果の臨床的意義|ポリジェニックリスクスコア(PRS)は確定診断ではなくリスク評価
- 予防・早期発見|環境要因との相互作用と定期検査の意義
- 治療の最新動向|デペモキマブとデュピルマブ適応拡大
- 家族・血縁者への影響|多因子疾患ならではの家族歴の読み方
- 心理社会的影響|検査結果の共有と保険・就労への懸念
- FAQ
- まとめ
- 参考文献
喘息の遺伝的リスクとは|52座位を同定した2025年MTAG解析と新薬デペモキマブの最新動向
本記事は教育目的の情報提供です。 自身または家族の発症リスク・検査の要否・治療方針の判断は、必ず主治医・臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーにご相談ください。緊急時は 119 へ。

父が喘息で、自分もいずれ同じようになるんじゃないかと不安で…

気持ちはよくわかります。多くの方が同じ不安を抱えて来られますよ。少しずつ一緒に整理していきましょう。

ネットで遺伝子検査のこと調べたら、結果を自分が受け止められるか心配で…

その不安もよく聞きます。結果の受け止め方は一人で抱えず、遺伝カウンセリングの場で一緒に考えられますよ。

子どもにも関係あるなら、妻にもちゃんと話しておかないと…

そうですね。ご家族で情報を共有しておくことは、今後の相談先やタイミングを選ぶうえでも大切な一歩になりますよ。

具体的には、まず何から始めればいいんでしょうか?

順を追って進めれば大丈夫です。主治医から専門医、認定遺伝カウンセラーへとつながる流れを、この後の本文で案内しますね。
結論: 2025年5月、Nature Communications誌に多形質遺伝学的解析(MTAG)の論文が掲載されました。この解析は東アジア系コホートを組み込み、喘息に関連する52の遺伝子座を同定しています(うち31座位は新規)。喘息は1つの遺伝子で決まる病気ではなく、GSDMBやCD36など多数の遺伝子が関わる「多因子疾患」です。同年12月には、好酸球性の炎症を標的とする新薬デペモキマブが厚生労働省・米FDAで相次いで承認されました。研究エビデンスをもとに、遺伝の仕組みから最新治療まで整理します。
この記事でわかること
- 喘息がGSDMBやCD36など多数の遺伝子が関わる多因子疾患である理由
- 2025年のMTAG解析が示した52座位の意味と、絶対リスクへの言い換え方
- 保険診療の検査とDTC(消費者向け直販)遺伝子検査(MYCODE・GeneLife等)の違い
- 2025年12月に承認された新薬デペモキマブ・デュピルマブ適応拡大の最新動向
遺伝の仕組み|GSDMB・CD36と2型炎症が関わる多因子疾患

GSDMBとかCD36とか、遺伝子が絡むなら父から僕にも伝わってるんですかね…

その気持ちは自然なものです。ただ喘息は1つの遺伝子では決まらず、2025年の研究では52もの遺伝子座が関わると報告されています。
喘息は、1つの遺伝子変異だけで発症が決まる「単一遺伝子疾患」ではありません。多数の遺伝子が少しずつ関わる「多因子疾患(ポリジェニック疾患)」です。遺伝形式も、特定のパターンで親から子へ伝わるものではなく、多数の体質要因が積み重なる形です。
日本アレルギー学会のガイドラインは、喘息を2型炎症を中心とする気道の慢性炎症性疾患と位置づけています。2型炎症とは、IL-4・IL-5・IL-13・TSLPが関わる炎症の仕組みです。気道上皮からTSLPが放出されると、ILC2(2型自然リンパ球)という免疫細胞が活性化し、炎症が進みます。
MTAGとは、複数の関連形質を同時に解析するゲノムワイド関連解析(GWAS)の手法です。多くの人の遺伝情報を比べて、病気に関連する場所を探します。2025年のMTAG解析では、GSDMB付近の座位(ゲノム上の位置)が注目されました。CD36遺伝子のミスセンス変異(rs75326924)も見つかりました。ミスセンス変異とは、タンパク質の一部が別のものに置き換わる変化です。CD36の変異は東アジア人に見られる「防御的バリアント」で、喘息リスクや好酸球数の低下と関連します。免疫細胞を用いたフローサイトメトリー解析でも、この変異による発現の違いが確認されました。

そんなにたくさん関係してるなら、何を調べればいいのか分からなくて…

個別の遺伝子を一つずつ追う段階ではありません。気になる症状があれば、まず呼吸器内科の主治医に相談してみてください。
日本人集団を対象にしたGWASも、以前から独自の知見を積み重ねてきました。2011年の研究は、TSLP-WDR36座位やGATA3近傍の遺伝子密集領域など、日本人成人喘息の感受性座位を報告しています。
気道上皮は「家の壁」、2型炎症は「壁の隙間に反応しすぎる警報装置」に例えられることがあります。遺伝の仕組みを詳しく知りたい場合は、まず主治医に相談してください。
ここまでのまとめ: 喘息はGSDMB・CD36など多数の遺伝子が関わる多因子疾患です。中心にあるのは2型炎症(IL-4/IL-5/IL-13/TSLP)という炎症の仕組みです。
発症リスクの数値|52座位の意味と絶対リスクへの言い換え

一卵性双生児だと6倍って聞いて、うちの子も将来危ないんじゃ…

双生児研究では一卵性で約6倍という報告がありますが、これは集団の平均であり、個人の発症を保証する数字ではありません。
2025年のMTAG解析は、喘息GWAS(症例18,549例・対照322,655例)を土台にしています。ここに東アジア系レプリケーションコホート(症例1,100例・対照2,506例)を統合しました。その結果、統計的に確からしいとされる52の座位(genome-wide有意座位)が同定されました。このうち31座位は、東アジア系集団で新たに見つかったものです。
デンマークの双生児登録21,135組の研究では、一卵性双生児が共に喘息になるリスクは、一般集団の約6倍と報告されています。二卵性双生児では約3倍でした。仮に地域の有病率を10人中1人と置くと、一卵性双生児の一方が喘息なら、もう一方の推定発症率はおよそ10人中6人程度に高まる計算です。あくまで研究データに基づく例示です。
ただし、こうした数値を読み解くときには、いくつか注意点があります。
- 52座位の多くは、1つ1つの効果がわずかである
- 数値は集団の平均であり、個人の発症を保証するものではない
- 研究対象と異なる集団的背景を持つ人には、そのまま当てはまらないことがある

数字だけ見ると怖くて、どう受け止めればいいのか分からなくて…

数値は必ず「何人中何人か」という形に言い換えて考えます。不安が強いときは臨床遺伝専門医に相談してみてください。
数値は必ず「何人中何人か」という絶対リスクに言い換えて考え、不安があれば臨床遺伝専門医に相談しましょう。
厚生労働省の患者調査によると、国内の気管支喘息の総患者数は約117万人と推計されています。決してまれな病気ではありません。
ここまでのまとめ: 2025年のMTAG解析は52座位を同定し、東アジア系で31が新規でした。効果量は小さく、絶対リスクへの言い換えが重要です。
検査の選択肢|保険適用の臨床検査とDTC遺伝子検査の違い

MYCODEとか気になってるんですけど、病院の検査とどう違うんですか?

目的が違います。保険診療は症状の診断が目的で、DTC検査は約36万人規模のGWASを土台に体質傾向を確率的に示すものです。
喘息の「検査」には、大きく2つの入り口があります。呼吸器内科での保険適用の臨床検査と、自費のDTC(消費者向け直販)遺伝子検査です。
保険診療では、血液中のIgE値の測定や呼吸機能検査(スパイロメトリー)などを行い、医師が診断・治療方針を決めます。症状がある場合は、まずこちらを受診するのが基本です。
一方、MYCODEやGeneLife、海外の23andMe等のDTC遺伝子検査は、唾液サンプル等で体質傾向のスコアを算出します。23andMeの「Asthma」ポリジェニックレポートは、24,000以上のcontributing variantsを集計する仕組みです。この手法の科学的土台には、喘息・花粉症・湿疹を含むアレルギー疾患のGWAS(合計36万人超)が用いられています。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 保険診療の臨床検査 | DTC遺伝子検査 |
|---|---|---|
| 目的 | 症状の診断・治療方針の決定 | 体質傾向を確率的に知る |
| 主な内容 | IgE値測定、呼吸機能検査等 | 唾液サンプル等でポリジェニックスコアを算出 |
| 費用 | 公的医療保険が適用される | 自費(保険適用外) |
| 結果の位置づけ | 医師による診断・治療の根拠 | 確定診断ではなく参考情報 |
| 相談先 | 呼吸器内科等の主治医 | 結果の解釈は主治医・臨床遺伝専門医へ |

症状があるときは、どっちを先に受ければいいんでしょう…

症状がある場合は診断・治療が優先です。まずは呼吸器内科の主治医を受診し、検査の使い分けも相談してください。
保険診療は「今の症状をどう治療するか」に、DTC遺伝子検査は「体質傾向を知る」ことに答える情報です。目的が異なる点を理解したうえで、結果の解釈に迷ったら主治医に相談してください。
ここまでのまとめ: 保険診療は治療方針決定のための臨床検査、DTC遺伝子検査は体質傾向を知るための情報で、目的が異なります。
検査結果の臨床的意義|ポリジェニックリスクスコア(PRS)は確定診断ではなくリスク評価

検査でスコアが出ても、どこまで信用できるのか不安で…

米国医学遺伝学会は、ポリジェニックスコアには予測精度の限界があり、単独では判断に使わないよう指摘しています。
ポリジェニックリスクスコア(PRS)とは、多数の遺伝子バリアントの影響を合算し、体質傾向を点数化した指標です。確定診断ではありません。
米国医学遺伝学会(ACMG)は、PRSの臨床応用について、次のような課題を指摘しています。
- 予測精度に限界がある
- 非欧米祖先集団への移植性(=別の集団に当てはめたときの精度)が低い
- 単独での臨床的意思決定には推奨されない
好酸球性喘息とは、好酸球という白血球が気道の炎症に強く関わるタイプです。サブタイプの判定にも、PRSと同様に限界があります。

好酸球性喘息とか言われても、自分がどのタイプか分からなくて…

サブタイプの判定にも同様の限界があります。分類や治療方針の判断は、専門医に相談して一緒に考えていきましょう。
MTAG解析では、TSLP・PPP1R11・GSDMBの3座位は、この好酸球性喘息群でのみ有意でした。非好酸球性喘息群では再現されませんでした。逆にSMAD2遺伝子近傍の座位は、炎症とは別の気道リモデリング(構造変化)に関連する可能性が示されています。
同じ「喘息」でも遺伝的な背景は一様ではありません。検査結果の解釈は自己判断せず、主治医や臨床遺伝専門医に相談してください。
ここまでのまとめ: PRSは確定診断ではなくリスク評価の一手段です。TSLP/PPP1R11/GSDMB座位は好酸球性喘息サブタイプに特に関連します。
予防・早期発見|環境要因との相互作用と定期検査の意義

生まれつきの体質なら、予防してもあまり意味がないんじゃ…

そんなことはありません。喘息死亡数は1995年の7,253人から2018年には1,617人まで減り、治療の進歩が効いています。
喘息の発症・悪化には、遺伝的要因だけでなく環境要因も強く関わります。アレルゲンへの曝露、喫煙、大気汚染などが、気道の炎症を悪化させる代表的な要因です。
日本アレルギー学会のガイドラインは、重症度・表現型(フェノタイプ)に応じた管理を示しています。具体的には吸入ステロイド薬や生物学的製剤の使い分けです。定期的な呼吸機能検査と早期の治療介入が、重症化予防につながると考えられています。

子どもがいるので、どのくらいの頻度で診てもらえばいいのか…

頻度は症状や重症度によって変わります。定期検査のタイミングは、小児科医や主治医と相談して決めていきましょう。
厚生労働省の人口動態統計では、喘息死亡数は1995年の7,253人から2018年には1,617人まで減っています。背景には吸入ステロイド薬の普及があると指摘されています。症状が続く場合は早めに主治医に相談してください。
ここまでのまとめ: アレルゲン・喫煙・大気汚染などの環境要因との相互作用に注意し、定期検査と早期治療介入が重症化予防につながります。
治療の最新動向|デペモキマブとデュピルマブ適応拡大

新しい薬があるって聞いたんですけど、うちにも関係あるのかな…

2025年12月、抗IL-5抗体デペモキマブが承認されました。治験では年間の増悪率が約5割前後減ったと報告されています。
2025年12月、喘息治療の選択肢が大きく広がりました。長時間作用型の抗IL-5抗体デペモキマブ(製品名エキシデンサー)が登場したのです。厚生労働省は2025年12月22日に承認しました。米FDAも2025年12月16日に承認しました。
主な承認内容を整理すると、次のとおりです。
| 薬剤 | 承認機関・承認日 | 主な対象 |
|---|---|---|
| デペモキマブ(エキシデンサー) | 厚生労働省 2025-12-22 / 米FDA 2025-12-16 | 重症・難治の好酸球性喘息 |
| デュピルマブ(デュピクセント)COPD追加 | 厚生労働省 2025-03-27 | 効果不十分なCOPD |
| デュピルマブ(デュピクセント)小児喘息追加 | 厚生労働省 2025-12-22 | 6〜11歳の中等症〜重症喘息 |
デペモキマブは、重症または難治の気管支喘息を対象に、26週(約6か月)に1回投与する生物学的製剤で、この投与間隔では国内初です。第III相のSWIFT-1・SWIFT-2試験では、年間増悪率がプラセボと比べてそれぞれ約58%・約48%減少しました。好酸球性表現型を伴う重症喘息が対象で、米国では年2回投与の追加維持療法として承認されています。

こういう新薬って、どこに行けば処方してもらえるんですか?

対象は重症・難治の患者に限られます。適応があるかどうかは、まず主治医と相談して確認してもらってください。
既存薬のデュピルマブ(デュピクセント)も適応が拡大しています。2025年3月27日、厚生労働省は慢性閉塞性肺疾患(COPD)への適応追加を承認しました。COPD領域で国内初の生物学的製剤です。さらに2025年12月22日には、6〜11歳の小児気管支喘息への用法・用量追加も承認されました。
新しい治療を検討する際は、自己判断せず主治医と相談のうえ適応を確認してください。
ここまでのまとめ: デペモキマブが2025年12月に日米で承認され、デュピルマブもCOPD・小児喘息へ適応拡大しました。
家族・血縁者への影響|多因子疾患ならではの家族歴の読み方

父が喘息なら、うちの子も同じ運命なのかと思うと…

多因子疾患のため確定的な予測はできませんが、遺伝要因の寄与はおおむね55〜90%と報告され、手がかりにはなります。
単一遺伝子疾患には、家系内で変異の有無を1人ずつ確認する「カスケード検査」という考え方があります。しかし喘息のような多因子疾患では、1つの遺伝子変異の有無で家族の発症を確定的に予測することはできません。
それでも家族歴は無意味ではありません。双生児研究を含むこれまでの報告では、遺伝要因の寄与(heritability)はおおむね55〜90%とされています。
家族は遺伝子だけでなく、次のような環境も共有しやすい傾向があります。
- 喫煙(受動喫煙を含む)
- 室内のアレルゲン(ダニ・ペットの毛など)
- 大気汚染への曝露

子どもの体質、どこに相談すればいいんでしょうか…

早めの相談が安心につながります。小児科医や呼吸器内科の主治医に、家族歴も伝えたうえで相談してみてください。
家族に喘息の人がいる場合、こうした遺伝的・環境的な要因を共有している可能性があり、アレルゲン対策のきっかけになります。子どもの体質が心配な場合は、小児科医や呼吸器内科の主治医に早めに相談してください。
ここまでのまとめ: 多因子疾患のため確定的な家族内予測はできませんが、家族歴は早期対応の手がかりとして有用です。
心理社会的影響|検査結果の共有と保険・就労への懸念

検査結果が保険会社とかに知られたらと思うと、怖くて…

米国医学遺伝学会は、スコアの意味が患者にも医療者にも誤解されやすいと指摘しています。共有範囲は事前に考えておきましょう。
DTC遺伝子検査の結果をめぐっては、心理社会的な懸念も指摘されます。特に多いのが「結果が保険会社や勤務先に知られるのではないか」という不安です。
ACMGは、PRSという概念について、患者だけでなく医療者側にも理解が十分でないケースがあると指摘しています。理解が不十分なまま結果が独り歩きすると、誤った判断や不安につながりかねません。検査前に、結果を誰とどこまで共有するか考えておくとよいでしょう。子どもの体質に関する結果の伝え方に迷う場合は、認定遺伝カウンセラーに相談してください。

子どもに検査の結果をどう伝えればいいのか、正直迷っていて…

伝え方に正解は一つではありません。認定遺伝カウンセラーに相談しながら、一緒に言葉を考えていくこともできますよ。
ここまでのまとめ: PRSの意味は患者・医療者双方に誤解されやすく、結果の共有範囲は事前に考えておくことが望ましいです。
FAQ
Q1. 喘息は遺伝しますか?
A. GSDMBやCD36など多数の遺伝子が関わる多因子疾患で、遺伝的な関与はあります。ただし単一遺伝子だけで発症が決まるわけではありません。
Q2. 子どもにも喘息は遺伝しますか?
A. 家族に喘息の人がいると発症リスクはやや高まりますが、確定的に遺伝するわけではなく、環境要因との組み合わせで決まります。
Q3. 喘息の遺伝子検査でわかることは?
A. DTC遺伝子検査のポリジェニックリスクスコアは、体質傾向を確率的に示すものです。確定診断ではなく、単独での判断には向きません。
Q4. デペモキマブ(エキシデンサー)とはどんな薬ですか?
A. 2025年12月に厚生労働省・米FDAで承認された、長時間作用型の抗IL-5抗体です。重症の好酸球性喘息が対象です。
Q5. デュピクセントは喘息にも使えますか?
A. はい。2025年12月22日、6〜11歳の小児気管支喘息への用法・用量追加が承認されました。従来から成人・12歳以上には承認されています。
Q6. 遺伝子検査の結果は保険会社や会社に知られますか?
A. PRSの理解が不十分なまま結果が扱われる懸念が指摘されています。結果の共有範囲は事前に考えておくとよいでしょう。
Q7. 喘息は指定難病ですか、医療費助成は受けられますか?
A. 気管支喘息は、難病法に基づく指定難病の対象疾患には含まれていません。通常の治療は公的医療保険の対象です。
まとめ
喘息は、GSDMBやCD36など多数の遺伝子が2型炎症(IL-4/IL-5/IL-13/TSLP)を介して関わる多因子疾患です。2025年のNature Communications誌のMTAG解析は52座位を同定し、うち31座位は東アジア系集団で新規でした。DTC遺伝子検査のポリジェニックリスクスコアは確定診断ではなく、確率的なリスク評価にとどまります。2025年12月には抗IL-5抗体デペモキマブが日米で承認されました。デュピルマブもCOPD・小児喘息へ適応拡大するなど、治療選択肢が広がっています。ご自身や家族の体質・検査・治療については、必ず主治医・臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーにご相談ください。
本記事は教育目的の情報提供です。 自身または家族の発症リスク・検査の要否・治療方針の判断は、必ず主治医・臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーにご相談ください。緊急時は 119 へ。
参考文献
- (2025-05-31) Nature Communications. “Multi-trait genetic analysis of asthma and eosinophils uncovers pleiotropic loci in East Asians.” https://www.nature.com/articles/s41467-025-60405-0 (PMID 40450010, DOI 10.1038/s41467-025-60405-0)
- 厚生労働省 / 医薬品医療機器総合機構(PMDA). エキシデンサー皮下注100mgペン/シリンジ(デペモキマブ(遺伝子組換え))製造販売承認情報(承認日2025-12-22)。https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20251222-exdensur/
- 米食品医薬品局(US FDA)(2025-12-16). “FDA approval of depemokimab-ulaa (Exdensur) as add-on maintenance treatment for severe asthma with an eosinophilic phenotype.” https://us.gsk.com/en-us/media/press-releases/exdensur-depemokimab-approved-by-us-fda-for-the-treatment-of-severe-asthma/
- New England Journal of Medicine (2024). “Twice-Yearly Depemokimab in Severe Asthma with an Eosinophilic Phenotype (SWIFT-1/SWIFT-2).” https://www.nejm.org/doi/abs/10.1056/NEJMoa2406673 (PMID 39248309)
- 厚生労働省(2025-03-27). デュピクセント皮下注(デュピルマブ)慢性閉塞性肺疾患(COPD)適応追加承認情報。https://www.pmda.go.jp/drugs/2025/P20250403001/780069000_23000AMX00015_A100_1.pdf
- 厚生労働省 / サノフィ(2025-12-22). デュピクセント 6〜11歳の小児気管支喘息患者における小児用法・用量追加承認情報。https://www.sanofi.co.jp/assets/dot-jp/pressreleases/2025/251222.pdf
- 日本アレルギー学会(2024). 喘息予防・管理ガイドライン2024(JGL2024)。https://www.jsaweb.jp/modules/journal/index.php?content_id=4
- 厚生労働省. 平成29年(2017)患者調査の概況 — 気管支喘息の総患者数。https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html
- 厚生労働省 人口動態統計. 喘息死亡数の推移。https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/investigation/prevalence/02.html
- Thomsen SF, van der Sluis S, Kyvik KO, Skytthe A, Backer V. (2010) Clinical & Experimental Allergy. “Estimates of asthma heritability in a large twin sample.” https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2222.2010.03525.x (PMID 20528882)
- American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG) (2023) Genetics in Medicine. “The clinical application of polygenic risk scores: A points to consider statement of the ACMG.” https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36920474/
- Hirota T. et al. (2011) Nature Genetics. “Genome-wide association study identifies three new susceptibility loci for adult asthma in the Japanese population.” https://www.nature.com/articles/ng.887 (PMID 21804548)
- Ferreira M.A.R. et al. (2017) Nature Genetics. “Shared genetic origin of asthma, hay fever and eczema elucidates allergic disease biology.” https://www.nature.com/articles/ng.3985
最終更新日: 2026-09-21
著者: 水野 悠(Yu Mizuno)(GeneLumen編集部 編集責任者・非医師)。公開された13件の医学エビデンス (tier 1=11件 / tier 2=2件) を横断分析・再構成しました。引用元には厚生労働省・医薬品医療機器総合機構(PMDA)・米国FDAが含まれます。ほかにPubMed peer-reviewed 論文(Nature Communications・Nature Genetics・NEJM 等)も含みます。日本アレルギー学会・米国医学遺伝学会(ACMG)のガイドラインも参照しています。
本記事は教育目的の情報提供であり、診断・治療方針の決定は必ず主治医・臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーにご相談ください。 緊急時は 119 / 各地域の救急外来にご連絡ください。
画像: いらすとや (https://www.irasutoya.com/) より
> 🇺🇸 アメリカ在住の方・英語で読みたい方へ(米国の制度とデータで書いた英語版。単なる翻訳ではありません): https://genelumen.com/genetic-diseases/is-asthma-genetic-dna-regions-biologic-2025

